ユーフォルビア・鉄甲丸

ユーフォルビア・鉄甲丸(Euphorbia bupleurifolia)とは

ユーフォルビア・鉄甲丸は、南アフリカ原産のユーフォルビア属植物で、扁平で重なり合う鱗片状の幹と、頂部に展開する葉を特徴とする独特な造形の種です。ユーフォルビア属の中でもサボテン的な印象が薄く、「塊根植物(コーデックス)」として扱われることが多い存在です。

名前の由来でもある“鉄甲”のような硬質な幹表面と、成長期にのみ現れる柔らかな葉の対比が強い個性となり、造形重視で評価されるユーフォルビアの代表格のひとつです。

基本情報

項目 内容
学名 Euphorbia bupleurifolia
別表記 ブプレウリフォリア
科 / 属 トウダイグサ科 / ユーフォルビア属
原産 南アフリカ
生育型 夏型
休眠傾向 低温期に落葉しやすい

名称と表記について

園芸流通では「鉄甲丸」という和名が非常によく浸透しており、学名よりも和名で認識されているケースが多い植物です。一方、学名のカタカナ表記には揺れがあり、検索時は学名併用が有効です。

区分 表記例 補足
本ページの表記 鉄甲丸 国内園芸で最も一般的
学名表記 Euphorbia bupleurifolia 分類上の正式名称
和名・通称 鉄甲丸 幹表面の質感に由来
カタカナ表記ゆれ ブプレウリフォリア / ブプレウリフォリア ラテン語読みによる差
検索のコツ ユーフォルビア 鉄甲丸 / Euphorbia bupleurifolia 和名+学名が最短

名前と分類についての整理

鉄甲丸はユーフォルビア属の中でも特異な形態を持つ種で、柱状・多肉質のユーフォルビアとは明確に異なるグループとして扱われます。園芸的には「塊根ユーフォルビア」「コーデックスユーフォルビア」と分類されることが多く、パキポディウムやアデニウムと同じ文脈で語られる場面も少なくありません。

分類上の混乱は少なく、現在は Euphorbia bupleurifolia として安定して扱われています。

保全・流通背景(輸出入・規制の考え方)

鉄甲丸はユーフォルビア属としてCITES(ワシントン条約)の管理対象に含まれます。現在、日本国内で流通している株の多くは実生・栽培由来で、野生個体の流通は基本的に想定されていません。

項目 内容 補足
CITES(ワシントン条約)掲載 掲載あり ユーフォルビア属として管理
附属書 附属書II 国際取引は許可制
野生由来個体の国際取引 原則不可 商業流通は栽培株前提
園芸流通で主流の株タイプ 実生株 国内流通量は比較的多い
購入時の確認ポイント 実生・栽培由来 来歴説明を確認

形態の特徴

幹(塊根)

鉄甲丸の最大の特徴は、扁平で重なり合う鱗片状の幹です。成長に伴い幹径がゆっくりと増し、年数を経るほど“鉄甲”の名にふさわしい重厚感が増していきます。

いわゆる球状塊根とは異なり、幹そのものが鑑賞対象となるタイプです。

トゲ

明確な鋭いトゲは持たず、表皮の硬質さと凹凸によって防御的な印象を与えます。扱いやすさという点では、ユーフォルビア属の中でも比較的安全な部類です。

成長期にのみ、幹頂部から細長い葉をロゼット状に展開します。葉は柔らかく、休眠期には自然に落葉します。葉の有無で季節の切り替わりが分かりやすい点も特徴です。

花は小さなサイアチウムで、葉腋付近に形成されます。観賞価値は高くありませんが、成熟株では開花が確認されることがあります。

項目 内容 補足
花色 黄緑色 小型
花の印象 目立たない 造形重視
開花しやすさ 低め 成熟株のみ
開花時期 高温期
香り なし
鑑賞ポイント 幹と葉の対比 季節感が出る

自生地の環境

南アフリカの乾燥した岩場や砂礫地に自生し、強い日差しと高い排水性を持つ環境で生育しています。降雨は限られ、乾燥と短い湿潤期を繰り返す環境です。

自生地から読み解く生理的な特徴

乾燥耐性は高い一方で、低温下での過湿には弱く、根域が長く湿る環境ではトラブルが起きやすくなります。成長は緩やかで、急激な変化を嫌うタイプです。

日本の環境で失敗が起きやすい理由

日本の冬は低温かつ湿度が高く、用土が乾きにくくなります。この状態で水を与えると、幹や根が傷みやすくなります。

また、室内管理で光量が不足すると、葉が弱々しくなり、幹の締まりも損なわれます。

栽培管理を考える前に(全体設計の考え方)

「強光・乾燥・風通し」を基本とし、特に低温期は断水気味に管理します。葉が落ちることを異常と捉えず、休眠として受け入れることが安定管理のポイントです。

栽培条件サマリー

屋内管理

管理項目 内容
強光
温度 20〜30℃
水やり 成長期のみ
管理の難度

屋外管理

管理項目 内容
春〜秋は直射日光
温度 冬は取り込み
水やり 乾いたら与える
管理の難度

まとめ(完全攻略の要点)

  • 扁平な幹と鱗片状の質感が最大の魅力
  • 和名「鉄甲丸」が強く定着したユーフォルビア
  • CITES附属書II対象で、流通は実生株中心
  • 低温期の過湿と光不足を避けることが最重要

ユーフォルビア・鉄甲丸は、派手な成長よりも「年数をかけて完成度が上がる」タイプの植物です。季節のリズムを尊重し、乾燥と光を軸に管理することで、唯一無二の質感と存在感を長く楽しむことができます。

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