塊根植物の殺菌剤|根腐れ・病気の予防と対処

塊根植物の殺菌剤 肥料・薬剤

殺菌剤は、病名と使い方がラベルの登録に合うときに使う補助の道具です。根腐れそのものを治すものではなく、腐った部分を取り除くことが処置の中心です。根腐れの症状と対処の全体的な手順については 根腐れの対処ガイド もあわせてご確認ください。

このページは殺菌剤の解説です。選び方ガイド 液体肥料 固形肥料 活性剤 殺虫剤

塊根植物で殺菌剤を使うタイミング

植え替え時

植え替えで根を整理したときの切り口の扱い(乾かしてから植えるか)は属や根の状態で違い、塊根植物全般の手順は確かめられていません(植え替え方法)。殺菌剤を使う場合は、ラベルの適用表に切り口への使い方が載っている製品に限られます(詳しくは切り口への塗布)。

根腐れ処置後

根腐れが発生した株は、腐敗部分を取り除くことが最も大事で、殺菌剤は補助の位置づけです。疫病・立枯病が疑われる場合は、花き類・観葉植物のこれらの病気に登録のある粒剤(ユニフォーム粒剤など)があります。病気ごとに使う時期と方法が違うため、病名と使い方がラベルと合うかを確かめてから使います(用土への混用)。

病気発生時

葉や幹に病斑が現れた場合など、糸状菌(カビ類)による病気が疑われるときに予防・治療目的で使うことがあります。病気の種類によって有効な殺菌剤が異なるため、症状に応じた製品選びが重要です。

主な殺菌剤の比較

製品名 主な用途 使い方 注意点
ベンレート水和剤 ラベルの適用表に記載された作物(樹木類・個別の作物)の病気。花き類・観葉植物としての登録はなし 発根管理で根元の殺菌に使う例が多い。ただし塊根植物への使い方はラベルに記載がなく、効果・薬害は確かめられていない 耐性菌リスクあり・繰り返し使用を避ける
トップジンMペースト 樹木類・ばらの切り口・傷口のゆ合促進 原液のまま切り口に塗る(希釈不要) ベンゾイミダゾール系でベンレートと同系統。花き類・観葉植物の登録はなく、塊根植物が登録の範囲に入るかは確かめられていない(切り口への塗布)
ダコニール1000 花き類・観葉植物のうどんこ病・斑点病(炭疽病は登録なし) 1000倍に希釈して葉・茎に散布 ばら・きく・チューリップ・ゆり・りんどうは対象外で、使用は6回まで。夏の高温時の使用は避け、花弁にかかると色が抜けて斑点が出ることがある

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ベンレート水和剤

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トップジンMペースト

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ダコニール1000

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使い方の基本

希釈の方法

殺菌剤は製品ごとに、使える作物・病気・希釈倍数・使い方がラベルの適用表に記載されています。この記事では、ラベルの適用表に従って使うことを基本にしています。例えばダコニール1000は、花き類・観葉植物のうどんこ病・斑点病に1000倍で散布する登録があります。薄めた液は余らせないよう必要な量だけ作り、使い切ります。また、ダコニール1000の注意事項は、作物群(花き類・観葉植物など)に含まれる作物に初めて使うときは、使用者の責任で事前に薬害が出ないかを確かめるよう求めています(KINCHO園芸 STダコニール1000)。一方、ベンレート水和剤には花き類・観葉植物としての登録がなく、塊根植物への使用はラベルに記載のない使い方になります(農林水産省 農薬登録情報提供システム、2026年9月確認)。観賞植物への登録外の使用は、食用作物のような罰則付きの義務ではなく努力義務の扱いですが、効果や薬害が確かめられていない使い方です。

切り口への塗布

根腐れ処置後や根の整理後の切り口は、清潔な刃物で切ります。植える前に切り口を乾かす必要や日数は確かめられていません(アリゾナ大学がアデニウムについて述べているのは、腐った部分は切り取り、残った組織は乾いた状態に保つことで、植える前の乾燥や日数には触れていません)。切り口への塗布が登録されている例として、樹木類・ばらの切り口・傷口のゆ合促進に原液を塗るトップジンMペーストがあります。ただし、塊根植物がこの登録の範囲に入るかは確かめられていません。農薬の作物分類表(農林水産省の通知を収載した大阪府の防除指針)にはパキポディウムやアデニウムの名前がなく、KINCHO園芸の農薬適用一覧表は、多肉植物・サボテンを「花き類・観葉植物」に含まれる例として挙げています。トップジンMペーストには花き類・観葉植物の登録がないため、塊根植物の切り口に登録どおり使える製品とは言えません(2026年10月確認)。シンニンギアのような草本の種でも、清潔な刃物で切ることを基本にします。発根管理のときに、根元の殺菌にベンレート水和剤を使う例は多く見られます。ただし、塊根植物への使い方はラベルに記載がなく、効果や薬害は確かめられていません。使う場合はラベルの注意事項を守り、自己判断で使ってください。

用土への混用

用土に混ぜて使えるのは、ラベルに土壌混和の使い方が記載されている製品です。例えばユニフォーム粒剤(有効成分アゾキシストロビンとメタラキシルM)は、花き類・観葉植物の容器栽培の疫病に、鉢上げ時に用土へ混ぜる使い方が登録されています。立枯病(リゾクトニア菌)への登録は、用土に混ぜるのではなく、植え付け時か生育期に土の表面へ散布する使い方です(シンジェンタ ユニフォーム粒剤 適用表、2026年10月確認)。ベンレート水和剤には観賞植物で用土に混ぜる使い方の登録はありません。用土内の有用微生物にも影響する可能性があるため、予防のために毎回混ぜるのではなく、病気が疑われるときに病名と使用方法がラベルと合うかを確かめてから使うとよいでしょう。

注意点

使いすぎ・薬害のリスク

殺菌剤は使えば使うほど効果が上がるわけではなく、過剰に使用すると薬害を引き起こす可能性があります。濃度はラベルの規定の範囲内にとどめることが大切です。

ダコニール1000は、注意事項で夏の高温時の使用を避けるよう書かれています。花き類・観葉植物では、花弁に薬液がかかると色が抜けて斑点が出ることがあります。

耐性菌への注意

ベンレート水和剤やトップジンMペーストのようなベンゾイミダゾール系殺菌剤は、同じ系統を繰り返し使用すると病原菌が耐性を持ちやすくなるといわれています。殺菌剤を続けて使う必要がある場合は、登録内容が合う製品のなかから作用系統の異なるもの(例:ダコニール1000は有効成分TPN、クロロニトリル系)を選び、交互に使うことで耐性菌リスクを下げられます。

同じ系統の薬剤を連用しないことが耐性菌対策の基本です。常備するなら系統の異なる2種類を用意し、交互に使うローテーションを組んでおくと安心です。

取り扱いの注意

殺菌剤は農薬の一種です。使用時はラベルの注意事項にある保護具を着けてください。例えばダコニール1000は、散布の際に農薬用マスク・不浸透性手袋・不浸透性防除衣などを着けるよう求めており、目や皮膚に刺激があるため、付いたらすぐに洗い流します。使用後は手を十分に洗い、子供やペットの手の届かない場所に保管してください。

よくある質問

植え替えのたびに必ず殺菌剤を使うべきですか?

必須ではありません。根の状態が良好な通常の植え替えでは殺菌剤なしでも問題ありません。根腐れが見られた場合も、まず傷んだ部分を取り除くことが基本で、殺菌剤はラベルの適用に合う場合に補助として使います。

ベンレートとダコニールはどう使い分けますか?

ダコニール1000は、花き類・観葉植物のうどんこ病・斑点病に散布する登録がある薬剤です。ベンレート水和剤は花き類・観葉植物の登録がありません。発根管理で根元の殺菌に使う例は多く見られますが、塊根植物への使い方はラベルに記載がなく、効果や薬害は確かめられていないため、使う場合は自己判断になります。どちらの製品も、使う前にラベルの作物・病気・使い方が合うかを確認してください。

根腐れした場合に殺菌剤は必要ですか?

必須ではありません。腐敗部分を取り除くことが最も大事です。疫病・立枯病が疑われる場合は、これらの病気に登録のある粒剤(ユニフォーム粒剤など)を、ラベルの使い方に合わせて使う方法があります。病気ごとに使う時期と方法が違います。ただし殺菌剤は根腐れを治すものではありません。根本対処は、用土の排水性の改善と水やり頻度の見直しです。

まとめ

  • 殺菌剤は、病名と使い方がラベルの登録に合うときに使う補助の道具
  • 殺菌剤はラベルの適用表(作物・病気・使い方)に合う製品を選ぶ。ベンレート水和剤には花き類・観葉植物の登録がない
  • 希釈率は必ずラベルを確認し、規定の濃度を守ることが基本
  • 過剰使用や濃すぎる希釈は薬害の原因になるため注意が必要
  • 使用時はゴム手袋を着用し、農薬としての取り扱いに気をつける