陶器鉢やセメント鉢は、インテリア性が高く、塊根植物のユニークな株姿を引き立てる選択肢として人気があります。プラスチック鉢とは異なる質感と重厚感が、塊根植物の個性をより際立たせてくれます。鉢選びの全体的な考え方については 鉢の選び方ガイド もあわせてご確認ください。
陶器鉢の特徴
陶器鉢は粘土を高温で焼き固めた鉢で、素焼き鉢に釉薬(うわぐすり)をかけたものが一般的です。見た目の美しさと独特の質感が魅力です。
通気性・乾き方
釉薬がかかっていない素焼き系の陶器鉢は通気性が比較的高く、用土が乾きやすい傾向があります。一方、釉薬でコーティングされた陶器鉢は通気性が低くなり、乾き方はプラスチック鉢に近くなります。塊根植物は乾燥を好む種類が多いため、用土の乾き具合を意識した鉢選びが大切です。
見た目・インテリア性
陶器鉢は色やテクスチャーのバリエーションが豊富で、部屋のインテリアに合わせて選びやすいのが特徴です。塊根植物のナチュラルな質感と相性がよく、和風・北欧風・モダンなど幅広いスタイルに対応できます。
重さ
陶器鉢はプラスチック鉢と比較して重さがあります。大きいサイズになると植え替え作業や移動が大変になるため、購入前にサイズと重さを確認しておくとよいでしょう。
セメント鉢の特徴
セメント鉢はコンクリートやモルタルを成形した鉢で、無骨でインダストリアルな見た目が人気です。DIYで自作する愛好家も多くいます。
硬度・重さ
セメント鉢は非常に硬く、割れにくい素材です。ただし重量はかなりあるため、大型の鉢は移動が難しくなります。設置場所をあらかじめ決めてから購入・作成するのが現実的です。
pH影響の注意点
新品のセメント鉢はアルカリ性が強く、用土のpHに影響を与えることがあります(ワシントン州立大学は、新しいコンクリートの近くに植えた植物に石灰による黄化が出ることがあるとしています)。塊根植物は弱酸性〜中性の用土で育てることが多いため、新品のセメント鉢には注意が必要です。水に浸けるアク抜きや内側のコーティングでどこまでアルカリが抜けるかは確かめられていません。
DIY人気
セメント鉢はホームセンターで材料が手軽に入手でき、好みの形や大きさに自作できることから、DIY愛好家の間で人気があります。市販品にはないオリジナルの形状の鉢を作れるのも魅力のひとつです。
塊根植物との相性と注意点
陶器鉢とセメント鉢それぞれの特徴を比較すると、以下のようになります。
| 項目 | 陶器鉢(釉薬なし) | 陶器鉢(釉薬あり) | セメント鉢 |
|---|---|---|---|
| 通気性 | 高め | 低め | 低め〜中程度 |
| 乾き方 | 乾きやすい | やや乾きにくい | やや乾きにくい |
| 価格帯 | 中〜高 | 中〜高 | 低〜中(DIYなら低コスト) |
| 主な注意点 | 重さ・割れやすさ | 用土の蒸れに注意 | pH影響・非常に重い |
塊根植物は根腐れに弱い種類が多いため、用土の乾き具合は重要な要素です。釉薬ありの陶器鉢やセメント鉢を使う場合は、水やりの頻度を控えめにするか、通気性の高い用土を選ぶとよいでしょう。
選び方のポイント
排水穴の確認
陶器鉢やセメント鉢には排水穴(水抜き穴)がないデザインのものもあるため、排水穴があるものを選ぶのが基本です。穴のない鉢を使いたい場合の対処と注意点は作家鉢のページで解説しています。
サイズの選び方
サイズは根鉢より一回り(直径で2〜3cm程度)大きい鉢が目安で、この考え方と号数の換算は鉢の選び方ガイドの「鉢のサイズの選び方」で解説しています。デザイン性の高い陶器鉢、特に一点物の作家鉢はサイズの展開が少ないことがあるため、今の株に合う大きさかを購入前に確かめてください。
釉薬の有無と用土の選択
釉薬ありの陶器鉢やセメント鉢を使う場合は、用土の通気性・排水性を高めておくことが重要です。軽石や日向土の比率を高めた配合にすると、鉢の通気性が低くても根腐れを防ぎやすくなります。
まとめ
- 陶器鉢は釉薬の有無によって通気性が大きく異なるため、購入前に確認しておくとよい
- セメント鉢は新品時のアルカリ性に注意が必要(アク抜きでどこまで抜けるかは確かめられていない)
- どちらの鉢も排水穴の有無を必ず確認する
- 塊根植物は乾燥を好む種類が多いため、通気性・排水性を考慮した鉢選びが根腐れ防止につながる
- インテリア性を重視しながらも、植物の生育環境を優先した選び方が長期的な管理のしやすさにつながる

